法解釈 #2

牛で通った人を罰するかどうか?についてはこのようになるのですが
牛で通ることは是か非か?という議論についてはまた別だったりするわけです。

いや、だからそれを「解釈」で押し通すことに問題があるわけでして。「どうあるべきか」という議論と法解釈の話を同時にするのは単純にミスリードですよね。もちろん、類推解釈して駄目だと思ったことをやらないってのは個人の規範としては立派だと思うけども。
そもそも、どうあるべきかって議論に現行法の目的(立法者意思)を引っ張りだす必然性も特にないんじゃないかなぁ。禁止される理由があるから禁止されているんであって、それを考えるためのトリガとしては現行法の目的を考えるのは悪くないとは思うんだけども、目的そのものだって現状に見合わなくなる可能性もあるんだし。
とはいえ、現行法の目的を解説すること自体はいいアプローチだと思う。字面だけ解釈しちゃう人って少なくなさそうだし。

出所明示義務ですね。
気になる人は検索して調べてみてください。
よくテレビとかに出る画像に (C)何とか と表示されるあれに関係します。
ただし、実情としてこの通報を受けて動くところ(おそらく検察)が動くかというと非常に怪しい状態があるのと、
出所を偽らぬものの出所を記載しないが、しかしその出所が明らかになる場合(つまり同人誌やファン活動)や、二次創作におけるこの義務の所在など、色々わからない規則であったりします。
実際問題として起訴後に原作者が出所明示義務違反について許容する態度を見せた場合、それにも関わらず、個人を有罪まで持っていかれる状況が発生しうるのかも疑問があります。
少なくともこの義務をもってしても、現状、この義務に無自覚にしろ出所がかなり表示されている同人やファン活動を罪だと言うことはできそうにありません。

いや、別に親告罪じゃないのもあるよってだけだったんだけど。Copyright 表記と出所明示義務って関係あるの?あれは、方式主義の国で著作者が自分の著作物であることを主張するために入れるもの*1では。出所を明示するために使うものではないんじゃないかなぁ。詳しくないのでよく知らないけど。あと、著作権法第48条第2項を読めば著作者名が分かっている場合には著作者名を表示しなければならないと有るけど、これもちゃんと守られているのかな。
実際に司法が動くことがあるかといえば、まあ、あまりないんだろうけどね。権利者から告訴された場合はともかく。

*1:ベルヌ条約で規定