言語間概念ミスマッチ

「日本の貸与奨学金は本当の意味での奨学金ではない。あれは学資ローンと呼ぶべきだ」という言説について、ちょっと考えてみたんだけども。
日本では貸与、給与含めて、利益度外視で就学のために行う金銭補助を奨学金と称しているんだから別にそれはそれでいいんじゃないのかなぁ。だれもだまされてなんかないと思う。
英語では scholarship(grant) と loan で区別されるというけども、異なる言語間で概念が一対一に対応しないことなんて良くあることで、だから何なんだろう、と思う。たとえば日本語でいう「大学」は英語では「College」だったり「University」だったり「Institute」だったりするけど、単科の短期大学を指して「本当の大学じゃない」とか言うやつはまず居ないよね。
ということで、日本で貸与奨学金が多いことに対して批判はあってもいいし、給与奨学金が増えるのもいいと思うけど、「貸与奨学金は本当の奨学金じゃない」とか「貸与を奨学金と称するのはごまかしだ」という言説はいかがなものかな、と思う。
ちなみに、日本学生支援機構の英語版ページには Scholarship Loans とある。