因果と相関

調査によると、5日間の平均で、午前7時より早く起きた子どもは61%で、午前7時半以降は6%だった。全体の98%の子どもが毎日朝食を取っていたが、午前7時半以降に起きる子どもの33%は食べない日があった。
朝食の様式別では、和食中心の子どもの77%が午前7時より前に起きるのに対し、洋食中心は44%にとどまった。
一方、「学校が楽しいか」との質問には、和食中心の子どもの57%が「とても楽しい」としたのに対し、洋食中心は19%だったことから、グループは「和食と洋食の差が出ている」とした。

なんというか、元の調査の詳細をみないと何とも言えないんだけど、記事をみる限り因果関係と相関関係の区別もついてないように見えるね。取材した記者/編集者の勘違いや、ねじ曲げの可能性もあるけど。
で、まぁ新聞記事なら仕方ないのかもしれないけど、結局検定をやって有意な差が出ているかどうかとかそういう話はないんだよなぁ。*1
しかし、洋食中心で起きるのが遅いのは単に簡単に済ませられるいうだけの話である可能性を考えたりしないのだろうか。

さて、問題。
U.S.で昼食と中国語の会話能力を対象に調査し、その結果、昼食に中華料理を食べることが多い人はそうでない人に比べて中国語を話せることが多いということが判明したとしよう。これから中国語会話を身につけたければ昼食に中華料理を食べた方がよい、という結論が導けるだろうか。

追記

ブックマークコメントを見て誤解されないか少し不安になったので捕捉。
最後の問題に関しては中華料理を食べることが中国語会話の学習に役立つという仮説が正しいかは「分からない」としか言えない。が、直感的に「中華料理を良く食べる人」という集合には中国人が多く、中国語会話ができるのはそのためだろうという推測できる。
その場合でも、仮説を否定することはできないが、要するにある事象間に相関関係が認められるとしても、そのこと自身が因果関係を示すわけではない、ということを示す例だと思ってもらえれば幸い。

*1:有意な差が出ててもこういう結論はダメだけど